2020 武田審査委員長講評

国産紅茶グランプリ2020 講評
審査委員長 武田善行

 国産紅茶グランプリ2020は新型コロナウイルスの流行に鑑み、予選と本選を10名の専門審査員により1日で行うという新たな審査方式で開催し、9月22日に無事終了することができました。

 例年であれば、一般審査員の評価も加えた総合点でグランプリ賞以下の各賞を決定していましたが、本年はコロナ禍の制約もあり専門審査員の2回にわたる審査をもって各賞を決定しましたことをご了解ください。

 その代わりとして、一般審査員を募集し、チャレンジ部門とプロダクツ部門の入賞茶をお送りして自宅で審査していただき、評価の高かったお茶については「一般審査員特別賞」を授与することに致しました。応募いただいた一般審査員は北海道から沖縄まで広範にわたり、沢山の貴重なご意見もいただきました。

 また、本年は「美味しい紅茶の店」日本一(対人口比)の地元、尾張旭市内の喫茶店にもご協力頂き「尾張旭市おいしい紅茶の店特別賞」を選出し、授与することに致しました。

 ここにグランプリ賞を始め栄誉ある賞を受賞されました出品者の皆様にお祝い申し上げます。

本年度の審査概要、特徴等については下記の通りです。


  1. 本年は15都県から昨年よりも2点少ない88点の出品がありました。内訳はプロダクツ部門が12都県から昨年を上回る50点の出品がありました。また、チャレンジ部門では、11都県から昨年よりも9点少ない38点が出品されました。
  2. 出品者数はプロダクツ部門が19、チャレンジ部門が22で、重複を除いた出品者数は22となり、昨年よりも11少なくなりました。
  3. 出品茶の茶種別内訳は、アッサム種系が54%、日本種系が46%でした。品種では、「べにふうき」が48%を占めました。
  4. 予選を通過した20点の内訳は、アッサム種系が14点、日本種系が5点、両種のブレンドが1点でした。
  5. 出品茶の摘採期は春茶が37点、夏茶が50点、その他が1点でした。
  6. 本年は梅雨時の長雨とその後の猛暑、新型コロナウイルス流行の影響など茶業を取り巻く環境は大変厳しいものがありましたが、生産者の努力もあり今までで最も高いレベルの品評会となりました。
  7. これまでは上位入賞茶は「べにふうき」の独壇場でしたが、本年は緑茶用品種を用いた紅茶が上位入賞を果たし、品種の特性を生かした紅茶作りにおいて大きな進展が認められました。
  8. その要因として、生産者の意識改革が挙げられます。今までは常連の数人しか持ち合わせていなかった紅茶へのこだわりが多くの出品者にも浸透し、国産紅茶グランプリが新たなフェーズ(時代)に入った印象を受けました。
  9. また、昨年の講評で述べた次の言葉、「国産紅茶グランプリの目的の一つである国内紅茶生産家の育成という観点から、チャレンジ部門で成果をあげた生産家は今後その技術を実際の生産に向けることをお願いしたい」と要請しましたが、本年はその方向への動きが一部の生産者に認められたことは大変喜ばしく思いました。
  10. 最後に、チャレンジ部門で一般審査員に配布したサンプルの中に一点異なったサンプルがあり、ご迷惑をかけたことをこの場を借りてお詫び申し上げます。

 本年度はコロナ禍で制約の多い開催となりましたが、リモート審査で全国の国産紅茶ファンと新しい接点が生まれました。この貴重な経験を来年以降の開催にも生かしてより楽しい国産紅茶フェスティバルにしていきたいと思っています。

 開催が危ぶまれました本年の国産紅茶グランプリでしたが、最大限の安全性を講じつつ無事開催することが出来ました。審査委員を代表して関係者、生産者、全国の国産紅茶ファンの皆さんに謝意を表します。


受賞茶葉の概要はこちらをご覧ください。

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